上野駅を探検する

駅構内でアート散歩

2025年3月






 
上野駅 広小路口
 上野駅 広小路口

 かつては東北地方各県を始め、上信越や北陸といった、日本の北の地方から東京へとやって来る人々が、最初に降り立つ終着駅として賑わった事から、「北の玄関口」とも呼ばれていた上野駅。現在でも巨大ターミナル駅として、毎日多くの人達が行き交う、日本屈指の活気にあふれた駅であり続けています。そして今日は、その上野駅の構内をあちこち歩き回って、探検しようと思っているんです。以前には東京駅を探検したこともあったけど、何しろ鉄道駅の構内散歩って、ふだん列車の乗降に利用する時とはまた違った、色んな新しい発見があるから、とっても楽しいんです。





3番4番ホーム
 3番線-4番線ホーム

 と言う事で今日は、山手線に乗ってJR上野駅で降車した訳でありまして、今立っているここは、山手線の外回りと、京浜東北線の横浜方面行き電車が発着する、駅の2階に位置した3番-4番線ホーム。そして早速もうこれから、駅構内の探検を始めようと思うんですが、ちょっとその前に、この駅の構造を基礎知識として軽く押さえておくと・・・

  JR上野駅は地上3階地下4階建てで、鉄道のプラットホームは、今居るこの地上2階にある高架ホームと、地上1階の地平ホーム、そして新幹線が発着する地下4階の地下ホームの3フロアにあります。また、上野駅としてはこのJR東日本の他に、京成電鉄上野駅や、地下鉄東京メトロの上野駅もあるんですが、今日は主に、JRの上野駅を隅々まで探検しようと目論んでいます。










3 階 改 札 内  





公園口・公園改札
 公園口・公園改札

 探検のスタートは、駅最上階の3階から。この3階フロアには東西2箇所に改札口があって、西側の改札がこの公園改札です。なぜ「公園」かというと、改札を抜けるともうすぐに、あの上野恩賜公園内に入ってしまうから。そして改札口からこうして公園を眺めると、その先には上野動物園の正門・入口も見えています。

 ところで、「3階のフロアにある改札を抜けるとすぐに上野公園」って、ちょっとおかしくないですか? 普通は改札口が上層階にあったら、階段やエスカレーターで一旦地上階まで降りてから、公園に行くもんじゃぁ無いんでしょうかね。





入谷改札
 入谷改札

 実は上野駅って、武蔵野台地の斜面を巧みに利用して造られた駅なんです。上野恩賜公園は「上野の山」とも呼ばれる様に、台地の高台を整備して造られた公園。だから3階の改札を抜けたら、そのまま公園内へと入って行けるんです。

 そして画像に写ったこちらが、東側の改札になる入谷改札。上野駅の東側は低地になるので、駅の3階にある、この入谷改札を抜けたその先は、階段やエスカレーターで、地上へと下りる事になるって訳なんです。





至る所にアニマルアートが
 至る所にアニマルアートが

 この3階のフロアを歩いていると、至る所で動物たちに出会います。上野と聞いて先ず頭に浮かぶのは、日本最初の動物園である、あの上野動物園。だから、それに因んでこのフロアでは、アニマルアートをあちこちで鑑賞する事が出来るんですね。





ライオンがお見送り
 ライオンがお見送り

 鉄道のプラットホームへと下りる階段でも、それぞれ色んな動物たちが、こんな風にお見送りをしてくれます。





公衆トイレの壁面にも
 公衆トイレの壁面にも

 なんとこの公衆トイレの壁面は、アニマルアートの大きなカンバスと化していました。なんと言う徹底振り!!

 実はこの上野駅周辺には、音楽ホールや沢山の美術館、そして東京藝術大学の上野キャンパス等もあって、上野イコールアート(芸術)の街 という側面もあるんですね。





Yamanote Line Museum
 Yamanote Line Museum

 こちらは Yamanote Line Museum という、駅構内に設けられた絵画の展示・鑑賞スポット。今日の展示作品は、たまたまアニマルアートだけど、作品は不定期に入れ替わるので、アニマルアートに限らず、様々な題材の作品が鑑賞できて、気に入れば購入する事も出来るんだとか。

 上野駅構内では、この3階フロアに限らず、この様に至る所でパブリックアートを眺めながら、「アート散歩」する事が出来るので、それも楽しみのひとつなんです。





春恒例の駅ピアノ
 春恒例の駅ピアノ

 駅構内で楽しめるアートは、なにも絵画だけではありません。期間限定ではありますが、こんな風にストリートピアノも置かれてました。この駅ピアノ、数年前から春の恒例イベントになっているらしい。





エキュート上野
 エキュート上野

 アートの他にも、ここ3階の改札内では、レストラン・カフェからスイーツ、ファッショングッズ、コンビニ、ブックストアなど、色々なショップが軒を並べるエキュート上野があって、飲み食い・買い物には事欠きません。なんとクリニックまであったりするんです。





上野がテーマのガチャガチャです
 上野がテーマのガチャガチャです

 ここは、大人向けのガチャガチャショップ。上野をテーマにしたカプセルトイが揃っていて、店内に200台のガチャガチャマシーンが並ぶ様子は、大迫力です。










2 階 改 札 内 






2階の高架ホーム
 2階の高架ホーム

 駅の2階へと下りて来ました。先にも述べた様に、この2階は高架プラットホームになっています。そして今居るこのホームは、常磐線が発着する11番-12番線ホーム





地平ホームが見えています
 地平ホームが見えています

 このホームの12番線側から下方に目を落とすと、1階の地平ホームに車両が発着するのが見えています。こんな所でも、上野駅の地上プラットホームが、上下二層になっている事を実感出来るんですね。





12番線はここが終点です
 12番線はここが始発・終点です

 ところで、ここ2階の高架プラットホームでは、1番線から12番線までの12路線が発着している訳なんですが、このうちの10番線から12番線までの3路線は、ご覧の様にホームの端に線路の終端部(車止め)があって、この上野駅が始発・終点の、ターミナルという事になっています。










1 階 改 札 内 





高架ホームが望めます
 高架ホームが望めます

 ここは1階の地平ホーム。このフロアのプラットホームでは、13番線から17番線までの5路線が発着していて、全て上野駅が始発・終点となります。そして今居るここ、16番線のプラットホームにこうして立っていると、高架ホームと地平ホームに列車が乗り入れるのを、同時に眺める事が出来るんです。

 考えるに、上野駅の地上プラットホームが、この様になぜ高架ホームと地平ホームの二層構造になっているのかというと、多分それは先述した様に、この駅が武蔵野台地の斜面を利用して造られているからこそ、なんだろうと思います。





タイルアート 塩屋崎灯台
 タイルアート 塩屋崎灯台

 宇都宮・高崎線や常磐線が発着する、この16番-17番線のプラットホームには、実はちょっとしたお楽しみがあるんです。それがこの、床に描かれたタイルアート。

 このホームにかつて乗り入れていたのは、常磐線特急「フレッシュひたち E653系」。その車体デザインのモチーフとなっていた、沿線の観光資源が描かれたタイルアートが、ホーム上の4箇所に埋め込まれているんです。





タイルアート ひたち海浜公園
 タイルアート ひたち海浜公園

 4つのタイルアートに描かれた観光資源は、茨城県に在るひたち海浜公園、水戸の偕楽園、そして日本で二番目に大きな湖の霞ケ浦と、福島県に在る塩屋崎灯台。何のタイルアートが何処に在るのかを探すのも、結構楽しい。





ねぶた祭りのレリーフ
 ねぶた祭りのレリーフ

 更にまだ、お楽しみがあるんです。このホームの17番線側に目をやると、線路を隔てた向こう側の壁面に、今度は巨大なレリーフが。

 これは青森県の特産樹木、青森ひばを利用して制作された、青森ねぶたのレリーフなんです。しかし何故ここに、東北三大祭りの一つ、ねぶた祭りのアートが掲げられているんでしょうか?

 その答えは何となく分かりました。





古めかしい締結装置
 古めかしい締結装置

 ねぶたのレリーフから視線を下方に落とすと、コンクリートの床下には、鉄道の線路を地面にしっかりと固定しておくための、古めかしいレール締結装置が設置されているのが確認できます。という事は、以前ここにレールが敷かれていたって事なんですね。

 17番線ホームをその先へと歩いて行くと、向い側には明らかにプラットホームらしいものが現れました。だけど線路はありません。実はこれ、まぼろしの18番線ホームなんです。そして、この事とねぶた祭りのアートがどう繋がるのかというと・・・





旧18番ホーム
 旧18番線ホーム

 昭和30年代から40年代の高度成長期、地方の農村から都市部へと、集団就職と呼ばれる大規模な就職活動が盛んに行われていた訳ですが、特にこの上野駅では、主に東北地方から東京へと集団就職でやって来る、所謂「金の卵」たちを乗せた専用臨時就職列車が乗り入れていたのでした。そしてその列車の到着場所は、上野駅の18番線ホームだったんです。その後集団就職は廃止されて、時代は平成へと移り、その18番線も廃止され線路は剥がされてしまいまいましたが、駅関係者の通行のために、プラットホームの一部が、こうして今でもまだ残っていると言う訳なんです。

 話は長くなっちゃいましたが、何を言いたかったかっていうと、青森ねぶたのレリーフは、昔この場所に、義務教育を終えたばかりの「金の卵」と呼ばれる若者たちを乗せた、東北方面からやってくる列車が乗り入れていた事を忘れない様に、という意味も込めて掲げられているんだと思うんです。飽く迄も思う感ずるだけど、そう確信しています。因みに上野駅に於いては18番線は現在欠番になっていて、17番線の次は、地下ホームに乗り入れる新幹線の19番線になるんですね。





PLATFORM13
 PLATFORM13

 1階地平ホームの、13番線ホームへと移動して来ました。ところでこのプラットホーム、他のプラットホームと比べて、明らかに何か印象が違います。通常この13番線ホームは、宇都宮・高崎線が乗り入れているのですが、その本数は極めて少ないので、人の気配を全く感じません。巨大ターミナル駅の鉄道ホームにして、シーンとした静寂感すら漂っています。





巨大プロジェクター
 巨大プロジェクター

 実はこのプラットホームには全17面で高さ2.4m、全長およそ100mにも及ぶ、巨大プロジェクターが設置されているんです。PLATFORM13と名付けられたこのスペースでは、常時様々な映像アート作品や動画コンテンツが、このプロジェクターで放映されていて、かなりの迫力。こういった乗降客の少ない、普段は眠っている様なスペースを上手に利用して、駅利用客への情報発信や集客の向上に繋げているんですね。





カシオペアも発着
 カシオペアも発着

 かつてこの13番線ホームでは、多くの夜行列車が発着していました。そして上野と札幌を結ぶ、贅を尽くした人気の臨時寝台特急列車、あのカシオペアも、ここが乗車ホームでした。平成28年に一般運行が終了して以来、その後は旅行会社が販売する不定期のツアーとして、カシオペアの車両は運行されて来ましたが、それも今年(令和7年)の6月に終了してしまう事が、メディア等で報じられています。





旧貨物用ホーム
 14番線側から13番線を望む

 ところでこの13番線ホームと、14番線のホームの中間には、柵で仕切られた細長い通路がある事に気づきます。これは元々、貨物列車から荷物を積み下ろすために使用されていたスペース。ところが現在では、全く別の用途で利用されているんです。





四季島専用ホームのエントランス
 四季島専用ホームのゲート

 寝台特急列車カシオペアに代わって、平成29年から運行されている豪華クルーズトレインはTRAIN SUITE 四季島(トランスイートしきしま)。1泊2日から3泊4日の日程で、上信越や東北、北海道などを巡る、周遊型寝台列車です。そして13番線と14番線の間にある、件の旧貨物専用ホームは、現在では13.5番線ホームとして、この四季島の専用ホームになっているのでした。





13.5番線
 13.5番線ホーム

 13.5番線ホームには専用ゲートがあって、四季島のゲストはこれを抜けて、一組ずつクルーに案内されながら、この専用ホームから、13番線に停車している車両に乗車する事になります。





PROLOGUE四季島
 PROLOGUE四季島

 これは13番線ホームに在る、四季島のゲスト専用ラウンジ、PROLOGUE四季島。上野駅出発前の旅の始まりと、上野駅到着後の旅の結びには、このラウンジで軽食やドリンク、アルコール等が提供されます。プレパーティーとアフターパーティーっていう事なんでしょうか。何ともラグジュアリーであります。





新幹線のりかえ口付近の恐竜アート
 新幹線のりかえ口付近の恐竜アート

 場所は変わって、ここは新幹線のりかえ口の脇。そして、ここに展示されたアート作品のテーマは恐竜です。何故ここに恐竜が居るのかというと、令和6年3月の、北陸新幹線金沢~敦賀間の延伸開業に合わせて行われた、開業イベントで描かれた恐竜だから。

 敦賀は福井県。そして、福井県といったら恐竜。国内で発見された恐竜化石の約8割は、福井県内で発見されていて、国内最大の恐竜化石発掘地、言わば恐竜王国と言う訳なんです。つまりは、福井県にとって恐竜は、貴重な観光資源のひとつなんですね。





新幹線のりかえ口
 新幹線のりかえ口

 さて、これから私は券売機で150円の入場券を買って、この新幹線のりかえ口の中へと入って行こうと思います。だけど自分は、特に鉄道ファンや撮り鉄という事でもないので、なにも新幹線の車両を見物に行きたいって訳ではないんです。





上野四季繫栄図
 上野四季繫栄図

 じゃあ何で入場料金を支払ってまで、新幹線のコンコース内へと入って来たのかと言うと、壁面に掲げられたこのアート、上野四季繁栄図を観たかったから。この銅板壁画は、昭和60年の東北上越新幹線上野駅開業を祝して掲げられたもので、原画を描いたのは、中国を代表する画家・書家で、大学教授としても日本と中国で教鞭を執っていた、王学仲(1925 - 2013)。上野の街並みや四季の風物が中国風に描かれた山水画なんです。





三相の像
 三相の像

 駅構内で必見のアートは、まだまだあります。中央乗換通路の、16番-17番線ホーム付近にあるこのブロンズ像は、東洋のロダンと言われた朝倉文夫(1883 - 1964)作の「三相の像」。作品の台座に記された銘文によると、昭和33年秋に行われた、駅開設75周年式典に参列した作者が、駅の開設年と自分の誕生年が同じだと知り感銘を受けた事で、その後上野駅に寄贈したものらしい。





石川啄木の歌碑
 石川啄木の歌碑

 三相の像の近くには、石川啄木(1886 - 1912)のこんな歌碑もありました。

「ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを 聴きにゆく」

 岩手県出身の石川啄木にとって、「北の玄関口」の上野駅は、特別な場所だったんでしょうね。










改 札 外 





中央改札を抜けて
 中央改札を抜けて

 上野駅メインの改札口中央改札を抜けて、改札の外側へと出て来ました。ここで注目は、ズラリと並んだ自動改札機に隣接している、画像右端に写ったスチール製のゲート。実はこれ、前出の豪華クルーズトレイン、TRAIN SUITE 四季島の、ゲストの為のVIPな専用改札口なんです。





グランドコンコース
 グランドコンコース

 中央改札を抜けた先のグランドコンコースは、私の子供の頃から景色や雰囲気があまり変わっていない、良い意味で古めかしい感じ。「旅情」とか「ひまわり」といった、昔の映画のラストシーンに出て来る様な、西洋の古い鉄道駅の構内を想起させます。





大壁画「自由」
 大壁画「自由」

 そして上野駅構内のアートと言ったら、何んと言っても、グランドコンコースにあるこの壁画は外せません。中央改札のちょうど真上に描かれた、幅が26m余りあるこの大壁画の作者は、香川県出身で、パリやニューヨーク、ハワイなどを拠点に、国際的にも活動した洋画家、猪熊弦一郎(1902 - 1993)。そして、昭和26年に制作されたこの壁画のタイトルは、「自由」です。戦後の復興期という時代背景で、「自由に未来を切り開いて行きたい」という、作者の願いが込められているのかも知れません。





翼の像
 翼の像

 東洋のロダン朝倉文夫作のブロンズ像が、こちらのグランドコンコースにも設置されていました。この「翼の像」は、昭和33年秋に執り行われた、前出の上野駅開設75周年記念式典に合わせて贈られたものです。

 ところでこの像、中央改札口の近くという立地的にも、周囲から見つけ易いというロケーション的にも、そしてまた両腕を広げた裸像という、インパクトのあるデザイン的にも、待ち合わせ場所としては好都合なので、この画像を撮影する時も、像の前に立つ人達が中々途切れず、苦労をしたのでありました。





ふる里日本の華
 ふる里日本の華

 その翼の像が見つめる先、ちょうど真向かいには、大きなステンドグラスが設置されています。この作品は、日本画家で東京藝術大学の学長も務めた、平山郁夫(1930 - 2009)作の「昭和60年春 ふる里日本の華」。制作された昭和60年3月は東北・上越新幹線の上野駅~大宮駅間が開業して、其々上野と盛岡、上野と新潟が繋がった日。だから作品には、沿線各都県の代表となる花などが描かれています。生前の作者本人の言によると、ステンドグラスの枠組みは、障子や屏風のイメージなんだとか。流石に日本画家ですね。





グランドコンコースから2階へ
 グランドコンコースから2階へ

 このグランドコンコースの、正面玄関口近くに設置されたエスカレーターで、駅舎の2階へと向かうと、そこでもまたアートを楽しむ事が出来るんです。





2階吹抜けはレトロな空間
 2階吹抜けはレトロな空間

 エスカレーターを上り切ってすぐの、2階吹抜けはレトロな空間。ここ正面玄関口の駅舎は、昭和7年に完成したものなんですが、特に2階のこの場所は、当時の内装のデザインが、そのまま残っているんです。





UENO ART GALLERY
 UENO ART GALLERY

 その2階吹抜けの通路には、UENO ART GALLERYと名付けられた、アート作品の展示スペースがあります。そしてここでは、展示開催ごとに毎回テーマを決めて、そのテーマに沿った作品展が行われています。





文化の杜路へ
 スロープを下って地下階へ

 ではこの辺で、地上階から地下階へと移る事にしましょう。グランドコンコースから不忍口を抜けて一旦表に出ると、文化の杜路と記された、地下鉄の改札口へと繋がるスロープがあるので、今日はこれを下って地下階へ。










地 下 階 





文化の杜路
 文化の杜路

 スロープを下って地下通路へと入って来ると、そこが文化の杜路。壁面には、何やら数多くのフォトパネルやポスターが、通路に沿って整然と並んでいます。





今日はミロ展でも観てみるか・・・
 今日はミロ展でも観てみるか・・・

 前にも少し触れたように、ここ上野には美術館や博物館、藝術大学、動物園、そして音楽ホール等々、多くの文化・芸術施設が集まっているのですが、それらをポスターや写真で個々に詳しく紹介しているのが、この文化の杜路なんです。ここに掲示された施設のポスターを見つけて、「じゃぁ今日は、この美術展にでも行ってみるか・・・」ってな具合にもなる訳なんですね。





上野今昔物語
 上野今昔物語

 東京メトロ銀座線の改札口近くには、鮮やかな色彩が一際目を引く、ステンドグラスが設置されていました。これは、上野の昔から現代までの情景が描かれた、「上野今昔物語」。原画の作者は、東京藝術大学学長や文化庁長官などを歴任した、金属工芸家の宮田亮平氏で、制作年は、地下鉄開通90周年にあたる平成29年。





地下通路のトイレまで
 地下通路のトイレまで

 これは通路沿いにあった、公衆トイレの壁面。改札内の3階フロアにあった、トイレ壁面のアニマルアート同様、こういった所にまでアートが取り入れられていて、なかなかの徹底振り。そして何んと言ってもオシャレであります。流石にアートの街・上野ですね。










駅 舎 外 





ポレイア広場
 ポレイア広場

 今度は地上へ戻って、駅舎の外周を探検してみようと思います。先ずは広小路口の前に出て来ました。この駅前広場で、大きな「UENO」のオブジェが印象的な、広さ140平米の空間は、イベントスペースのポレイア広場





上野広小路口ビジョン
 上野広小路口ビジョン

 そして広小路口の脇に設置された、大きさ50平米の大型曲面デジタルサイネージ上野広小路口ビジョンでは、ポレイア広場と連動して、映像技術を駆使した訴求が行われます。





「あゝ上野駅」の歌碑
 「あゝ上野駅」の歌碑

 同じく広小路口の広場には、昭和時代の流行歌「あゝ上野駅」の歌碑が建っていました。歌手井沢八郎(1937 - 2007)の歌唱で、昭和39年に発売された歌謡曲「あゝ上野駅」は、既述の集団就職者を題材にして歌われたヒット曲でした。





18番ホームが描かれています
 18番ホームが描かれています

 平成15年の建立になる、この歌碑に描かれているのは、希望と不安を胸に、集団就職列車から、あの上野駅18番線ホームに降り立った「金の卵」たちです。





古めかしい階段
 古めかしい階段

 広小路口・正面玄関口の駅舎は、昭和7年に建てられたものなので、正面玄関口脇にある、地下通路へと続くこの階段の様に、ここでは随所で、古き良き時代の意匠を見付ける事が出来ます。





古い丸窓を発見
 古い丸窓を発見

 そして、この階段を下りて行く途中でも、古めかしいけど洒落た丸窓を発見。丸窓を(わざわざ?)残したまま、その上から後付けの手摺を取り付けているのが、中々ニクイです。





貴賓室跡地
 貴賓室跡地

 こちらは、かつて駅舎にあった貴賓室の跡。昭和7年の駅舎完成以来、天皇陛下や皇族方の東北方面への旅立ちの際に、しばしば利用されていたらしい。





CREATIVE HUB UENO “es”
 CREATIVE HUB UENO “es” と浅草口

 ところで、この駅舎の浅草口のすぐ脇には、以前までは上野警察署の上野駅交番があったのですが、令和3年に駅前へと移転したのでした。そして跡地をリノベーションして、令和6年新たに、東京藝大と上野駅のコラボによる、CREATIVE HUB UENO “es”というアートギャラリーへと生まれ変わって、主に東京藝大の学生やOB・OGなどの、若手アーチストによる作品がここに展示されています。入場は無料。





巨大オブジェはメンテナンス中
 巨大オブジェはメンテナンス中

 駅舎前の、ペデストリアンデッキへと上がって来ました。ここにも確かアートがあった筈なんだけど、見つからない。

 実は、このペデストリアンデッキの上には、巨大なオブジェが設置されているのですが、今ちょうどメンテナンス中らしく、ご覧の様にシートが被されていて、残念ながら観る事が出来ない状態なのでありました。

 また今度来よう・・・





パンダ橋
 パンダ橋

 ペデストリアンデッキから、屋外エスカレーターを上って、更に上へ。上野駅の最高所、パンダ橋へとやって来ました。正面には上野の山(上野公園)が、そして右手には上野駅のパンダ橋口が見えています。既述のように上野駅は、武蔵野台地の斜面を利用して造られている駅。そしてこのパンダ橋は、台地に広がる上野公園と、低地に集まる上野の繁華街を繋いでいる、「杜とまちを結ぶ橋」と言う訳なんです。





イベントも行われます
 イベントも行われます

 この画像は少し以前に、パンダ橋へ来た時に撮影したものなんですが、その時にはご覧の様に、橋の中央に大きな花壇が並んでいました。パンダ橋ではこんな風に、様々な楽しいイベントが不定期で行われているんです。色々工夫して、広いスペースを上手く有効に活用しているんですね。





何んと言っても上野はパンダ
 何んと言っても上野はパンダ

 パンダ橋口の前には、名前通りのそのまんま、パンダの親子が居ます。上野って、やっぱりパンダ抜きには語れませんよね。このパンダの巨大ぬいぐるみは、東京ぬいぐるみ工業協同組合と、各界の著名人等が歴代の役員を努める任意団体、ゆーもあくらぶから、昭和59年に寄贈されたものです。しかしこのパンダ、以前は1頭だけだった覚えがあるんですが、いつの間にか子パンダが生まれてました。





正面玄関口
 正面玄関口駅舎

 今日は上野駅をあちこちと、アートを探しながらゆっくりたっぷり歩き回って来ました。そして最後は、昭和の初めに建てられた正面玄関口の、このクラシックで重厚で絵になる駅舎を眺めながら、この辺で今日の探検を終わりにしようと思います。









★交通 JR山手線・他 上野駅下車



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