皇居一周
ランニングコースを散歩する

2025年1月






 
大手町駅C13b出入口とパレスビル
 大手町駅C13b出入口とパレスビル

 東京の都心に位置する大手町駅は、東京メトロ4路線と、都営線の1路線が乗り入れる地下鉄駅。そしてそのC13b出入口は、オフィスを始め多くのレストランやショップがテナントとして入居する超高層ビル、パレスビルの玄関口と共用されています。




皇居とその大手門
 皇居とその大手門

 地下鉄の出入口を抜けて表に出ると、目の前を走る大通りは永代通り。そしてその左手に目をやると、正面突き当りには皇居とその大手門が見えています。

 と言う事で、今日はこの日本屈指のビジネス街の大手町へ、何をしにやって来たのかと言うと・・・

 まぁ、タイトルを見れば分かっちゃうんですが。今日は皇居(旧江戸城)の周りを、グルっと1周散歩しようと思っているんです。そしてスタートはこの大手門前から。





大手門前からスタート
 大手門前からスタート

 大手門は江戸城の正門にあたる門で、1606年の建設。手前(画像左側)の門が1659年再建の高麗門、奥(画像右側)にある横向きの門が、1966年・昭和41年再建の渡櫓門で、二重構造の門になっています。この様に石垣や櫓で四方を囲まれていて、上から見ると枡の形をしている門のことを枡形門と言い、侵入した敵方を門の中に閉じ込めて一網打尽に出来る様な、セキュリティがバッチリの構造になっているんです。





皇居のランニングコース
 皇居のランニングコース

 皇居の外周には、一周5kmジャストのランニングコースが、旧江戸城の内濠にほぼ沿ったかたちで歩道上に整備されていて、大人気のランニングスポットとして、毎日多くのランナーが「皇居ラン」を楽しんでいます。そして今日は、このランニングコースを「皇居ウォーク」しょうって訳なんですが、ご存知のように皇居は元はと言えば江戸城だった訳で、だからここを散歩すると、現在の皇居の美しい風景と共に、旧江戸城の頃の遺構など、沢山の価値ある文化財も、バッチリ満喫しながら歩けるってワケなんです。





東京消防庁本庁舎
 東京消防庁本庁舎

 大手門前をスタートしたらお濠を左手に見ながら、皇居の周りを今日は反時計回りに歩いて行きます。実はこの反時計回りと言うのは、一応、皇居ランニングをするにあたってのルールにもなっているんです。だから殆どのランナーは、私が歩いて行くのと同じ方向に走り、そして追い抜いて行きます。

 歩き始めてから間もなく、右手を走る都道301号線内堀通りの向こう側に、無線鉄塔が屋上に設置された白いビルが見えて来ました。これは東京消防庁本部庁舎。昭和51年の建築になるこの建物は、老朽化に伴った課題が確認されている為、令和14年度には新庁舎がすぐ隣の場所に建築されて、このビルは取り壊される予定になっています。





震災イチョウ
 震災イチョウ

 この辺り一帯は、大正12年に発生した関東大震災で焦土と化してしまったのですが、にも拘らず奇跡的に被害を受けずに生き残ったのが、このイチョウの大木でした。しかしながら、震災後の東京の復興計画では、当初このイチョウの木は切り倒される事になっていたのですが、一転、大災害からの復興のシンボルとして後世に残す事となり、元々あった場所からこの地へと移されて来たのでした。





パレスサイドビルディング (毎日新聞社東京本社)
 パレスサイドビルディング

 震災イチョウから200mほど進んだ先にあるこの建物は、毎日新聞東京本社が入るパレスサイドビルディング。そして、震災イチョウの元々あった場所は、このビルが現在建っている辺りだったんです。





平川門
 平川門

 内堀通りを挟んで、パレスサイドビルディングと丁度向かいあっているのが平川門。江戸城においては主に大奥の奥女中や、田安・一橋・清水といった御三卿が、城への出入りに使用していたとされる城門です。





竹橋
 竹橋

 この石造りの橋は竹橋。関東大震災後の復興事業として、大正15年に造られたものですが、元々最初に架橋された時は、その名の通りに竹を編んで造られていたらしい。当初この竹橋の先には竹橋門があったのですが、今ではすべて撤去されて、当時の竹橋門の面影はありません。





竹橋門跡
 竹橋と竹橋門跡

 架け替えられた現在の橋は、当時の竹橋と位置や向きは変わっていないので、竹橋門はこの画像では、この濠を渡った向こう側にあった事になります。

 ところで、皇居ランニングコースの方はと言うと、この辺りから上り坂になって、徐々に標高を上げて行きます。今日のスタート地である大手門前の周辺が、全コース中一番の低地で、海抜で3mほどなんですが、この竹橋の手前からコースの最高所へ向かって、25m以上も標高を上げる事になります。自分も以前に、何度もこのランニングコースを走った事はあるんですが、他のランナーたちはスイスイと軽快に走り去って行く中、望みが薄い肥満の改善と、気休めの健康維持のためにタラタラと走っている自分の様な者にとっては、やっぱりここからが、コース中一番キツイ難所となるのでありました。





東京国立近代美術館
 東京国立近代美術館

 竹橋の手前で、それまで右手に走っていた内堀通りは、一旦北の方向へと逸れて行き、この先は代官町通りへと変わります。そしてこの代官町通りを隔てた右手に目をやると、東京国立近代美術館がありました。ここには多くの重要文化財を含んだ、1万点を遥かに超える、19世紀末以降の貴重な美術作品が収集・保管されています。





国立公文書館
 国立公文書館

 更に、その隣に並んで建っているのは国立公文書館。昭和46年開館の歴史資料館で、国の行政機関などから移管された重要な公文書等が保管・公開されていて、1階の常設展示室では、日本国憲法の原本なども展示されているんです。





平川濠と北桔橋門
 平川濠と北桔橋門

 左手に見えている濠は平川濠。この平川濠辺りの石垣は、ご覧の様にかなり高く、それは20m以上もあって、如何にも堅固な要塞と言う感じ。それもその筈で、この石垣の向こう側には本丸や大奥が控えていたので、当時この辺りは、特に厳重な警戒を要する場所だったんですね。





北桔橋門(きたはねばしもん)
 北桔橋門(きたはねばしもん)

 そんな重要な要塞である石垣の上に造られた城門が、この北桔橋門。江戸時代の当時には、外敵の侵入を防ぐために、この門の手前に架けられた橋は、跳ね上がる仕組みになっていたらしい。





首都高代官町IC(入口)
 首都高代官町IC(入口)

 北桔橋門前を過ぎると、有料道路の料金ゲートが見えて来ます。これは首都高速道路の代官町インターチェンジ。ETC専用の高速道路入口で、車でここを抜けると、その先の千代田トンネルを経て、東名高速道路や中央自動車道へと繋がって行きます。





乾門
 乾門

 そして、代官町インターチェンジのすぐ傍にあるのは乾門。ここは江戸城の頃には無かった出入口で、明治時代に入ってから設けられた、皇居の為の通用門です。主に天皇陛下や皇族、または皇居への関係車両が利用する門なので、皇居内の観光や見学のために、一般が出入りする事は出来ませんが、毎年桜や紅葉の見頃の時季などには、イベント用にイレギュラーで通行が可能となります。





旧近衛師団司令部庁舎
 旧近衛師団司令部庁舎(重文・国)

 右手を走る、代官町通りを隔てた向こうには、赤レンガ造りで中央の八角形の塔屋が印象的な、一際目を引く建物が建っています。これは明治43年竣工の、旧近衛師団司令部庁舎。近衛師団とは、天皇と皇居を守備する、旧陸軍の組織です。震災・戦災にも耐えた建物ではあったのですが、戦後暫くして解体の計画が立てられます。しかし取り壊しを惜しむ声もあり、保存運動を経た後に、建物は解体せずに残される事になったのでした。そして現在は、国指定の重要文化財として、この様に保存されています。





塀の向こうは吹上御苑
 塀の向こうは吹上御苑

 さて、ランニングコースはと言うと、相変わらず長く緩やかな上り坂がずっと続いています。そしてこの辺り、コース脇の高い塀で遮られた向こう側には、吹上御苑の森が広がっていて、そこには天皇皇后両陛下と敬宮殿下の住居である、御所があるというわけです。





アップダウンもあります
 アップダウンもあります

 ランニングコースは長い上り坂から、やっと今度は緩やかな下り坂になりました。その先で代官町通りと交差するのは、竹橋の手前で一旦逸れていた内堀通り。ランナーもなんとか少しは楽になれそうなところではありますが、この後すぐにまた上り坂が待っていて、コース中にはこんな風に、アップダウンの繰り返しも、しっかりとあったりするんです。





千鳥ヶ淵
 千鳥ヶ淵

 この辺りは丁度、代官町通りを挟む様にして、両側にお濠が広がっている場所で、通りの右側にあるお濠が千鳥ヶ淵。東京都内屈指の桜の名所として、春のお花見では大人気のスポットです。





半蔵濠
 半蔵濠

 続いて今度は通りの左側を眺めると、そこには半蔵濠が広がっています。そしてこの先ランニングコースは、この半蔵濠に沿って続いて行きます。





再び内堀通りへ
 再び内堀通りへ

 交差点を左に折れて、再び内堀通りに入って来ました。画像一番右側の車道が内堀通り。そのすぐ左脇で、通りに沿って続くのが歩道とランニングコース。そして一番左端に見える短い石段を上ると、半蔵濠に沿って千鳥ヶ淵公園が、遊歩道の様に延びて行きます。ここは迷わず公園歩きをする事に。





千鳥ヶ淵公園を歩く
 千鳥ヶ淵公園を歩く

 この千鳥ヶ淵公園もまた桜の花見の名所。シーズンオフの今はこんな感じで静かだけど、春の桜の時季ともなると花見客で大賑わい。開園は大正8年と、歴史ある公園なんです。





英国大使館
 英国大使館

 半蔵濠を左手に眺めながら公園を歩いていたら、反対側の内堀通りを隔てたその先に、白いコンクリートで造られた、クラシックで素敵な洋風の建物がありました。これは駐日英国大使館。昭和の初期に建てられたもので、現役の大使館の建物としては歴史の古いものなんです。





緩い上り坂が続くランニングコース
 緩い上り坂が続くランニングコース

 さてさて、千鳥ヶ淵公園と並行して続くランニングコースの方は、再び緩い上り坂に。ランナーとしては、ここが一番の踏ん張りどころであります。





半蔵門
 バリケードに守られた半蔵門

 その先、上り坂が終わってやっと落ち着いた辺りで、パトカーや人員輸送車(青バス)等の警察車両、そして立哨する警察官が俄に増えて、いささか物々しい雰囲気に。左手のずっと奥に見えている城門も、その手前でバリケードにガードされていて、警戒厳重です。これは半蔵門。江戸城の時代は既述の様な枡形門だったのですが、明治時代になって渡櫓門のみ撤去されました。そして現在では、皇室のメインの通用門として使用されている、御所から距離的に一番近い門。だからこんな風に警戒が厳重だったんですね。





桜田濠を眺めながら下る
 桜田濠を眺めながら下る

 半蔵門は、今日のスタート地点の大手門から見て、ちょうど反対側に位置する門。だから、今日の全5kmの散歩ルートの、ほぼ半分までを歩いて来たことになります。そしてランニングコースとしてはここが最高地点で、グーグルアースで確認すると、標高およそ29m。ここから今度は、桜田濠や吹上御苑の森が織り成す景勝地を眺めながら、およそ1.2kmの長いながい三宅坂をひたすら下って行くという、ランナーとしては全コース中一番幸せな区間でして、自分などはこれがあるから皇居ランニングをしていた様なものでありました。そして今日は、こうしてブラブラと歩きながら、この絶景をもっとゆっくりたっぷりと楽しもうと思います。





香川県の花 オリーブ
 香川県の花 オリーブ

 皇居一周ランニングコースにはもう一つ、隠れたお楽しみがあるんです。それは「花の輪」。47都道府県のシンボルの花のプレートと、プラス3枚千代田区の区花である桜の花のプレートが、コース上のアスファルトに、皇居を取り巻く花の輪の様に並んで埋め込まれているんです。47枚+3枚=50枚がコース全長5kmに亘って配置されているという事は、ほぼ100mに1枚の間隔で花のプレートが現れると言う訳なんですね。まぁ尤も、下を向きながらランニングするっていうのもちょっとアレなんで、本日みたいに散歩しながらじっくり見て周るのが宜しいかと。

 ところでこのランニングコースは、うまい具合に一回りの距離がジャスト5kmな訳なので、体力気力、体調や気分によって一周5km、二周10km、三周15km・・・ と、キリ良く分かり易く回数を決めて走る事が出来るわけです。





国立劇場
 国立劇場

 内堀通りの向こう側には、国立劇場の建物が見えています。大通りを渡ってちょっと来てみたんだけど、なにか閑散とした感じ。それもその筈で実は現在、国立劇場は建て替えのために、令和5年の秋から閉場中なんです。ここでは歌舞伎や文楽、邦楽などの公演をはじめ、ワタクシの大好きな落語の寄席もあったりしたんですが、今のところ、新しい建物での再開場へのスケジュールが、具体的には未だ決まっていないらしい。ちょっと残念です。





最高裁判所
 最高裁判所

 ところでこの界隈は、我が国国家権力の中心地でありまして、三権を司る機関がギュッと集まっているんです。先ずは「司法」で、国立劇場のすぐ隣にあるのが、この最高裁判所です。





正面には官庁街が
 正面には官庁街が

 次に「行政」。三宅坂を下って行くと、正面に近付いて来たビル群は、霞が関の官庁街です。今ここからは、総務省・国交省などの中央省庁が入る中央合同庁舎や、警視庁本部庁舎などが見えています。





国会議事堂
 国会議事堂

 そして「立法」。三宅坂を下りながら、後ろを振り向くとそこは永田町。お馴染み国会議事堂の荘厳なあの建物が、ドーンと控えています。





三宅坂もここまで
 前方に桜田門 三宅坂もここ迄です

 三宅坂とは、半蔵門前から桜田門前辺り迄の、長くて緩やかな坂道の事。そして前方には、その桜田門が近づいて来ました。絶景に囲まれた至福の下り坂も、もうあと少しで終点です。

 因みに桜田門と言えば、映画やテレビ、小説などでも数多く取り上げられている、大老井伊直弼暗殺の「桜田門外の変」が有名なのでありますが、その襲撃が水戸藩浪士らによって行われたのは、この画像の場所辺りだったらしい。





法務省旧本館
 法務省旧本館(重文・国)

 何やら広い内堀通りの向こう側に、赤レンガ積みで重厚な建築デザインの建物を発見。これは国の重要文化財に指定されている、法務省旧本館でした。明治28年の竣工当時は、司法省庁舎と大審院(現在の最高裁判所)として使用されていましたが、戦災による被害と戦後二度の改修工事を経て、現在では法務省の関連機関などがここに入居しています。因みに皇居を隔てた丁度北側には、先に見て来た旧近衛師団司令部庁舎があるので、奇しくも皇居を中心として南北対称に、赤レンガ建築の重要文化財が其々に建っているという事になるんですね。





桜田門
 桜田門(重文・国)

 恐らく旧江戸城の城門の中で、一番ネームバリューが高いんじゃないかと思われる桜田門に到着です。そして姿形も一番どっしりとしていて力強く美しい。 あくまでも私見ではありますが・・・

 ランニングコースはこの桜田門を貫いていて、皇居一周ランナー達は、重要文化財のこの枡形門の向こう側へと、一気に走り抜けて行きます。





高麗門(画像右)と櫓門(画像左)
 高麗門(画像右)と渡櫓門(画像左)

 皇居一周ウォーカーの私の方も、枡形の外側に配置された高麗門から入って、内側の渡櫓門を抜けて歩いて行く事にします。この高麗門とは画像でも分かる様に、表側のメインの大きな屋根の他に、小さな二つの切妻屋根を内側に向けて並行に配置した、上から見るとコの字に見えるスタイル。一方、渡櫓門とは、見張りや警護のための部屋(櫓・やぐら)が門の上に設けられたスタイルです。





正面には丸の内のビル街が
 正面には丸の内のビル街が

 ランナーたちは桜田門を抜けると、そのまま真っ直ぐに、丸の内のオフィスビルを正面に眺めながら走り去って行きます。

 が、しかし、皇居ウォーカーの私の方は、今日はここで真っ直ぐには進まず、このランニングコースから一旦外れて、江戸城の石垣とお濠沿いに左手方向へと向かう事にしましょう。





正門石橋とその奥の伏見櫓
 正門石橋とその奥の伏見櫓

 何故ランニングコースからわざわざ逸れて来たかと言うと、この場所に来たかったからなんです。皇居と言えばやっぱりここを抜きにして語る事は出来ません。それが正門石橋二重橋と、そして伏見櫓が並んだこのロケーション。

 もう今では既に、多くの人が知っているトリビアではあるのですが、この画像に写る橋が二重橋なのではなく、これは正門石橋(眼鏡橋)という橋でして、二重橋はこのアングルでは隠れて見難いのですが、正門石橋のすぐ後方に架けられているんです。





正門鉄橋(二重橋)
 正門鉄橋(二重橋)

 その二重橋がこれ。しかしながら「二重橋」と言うネーミングは通称でありまして、前方に架けられた正門石橋に対して、こちらは正門鉄橋(せいもんてつばし)と言うのが正式な名称です。何故なら、現在に於いてはちっとも二重の構造になっていないから。この橋かつては木造で、橋を支えて補強する為に、もう一つの橋桁が下部に設けられていたので、二重に架けられた橋に見えた事から、「二重橋」と呼ばれるようになったのでした。
   ややこしい・・・





皇居正門
 皇居正門

 これが皇居正門で、その手前が正門石橋。江戸城の時代には、この門は西丸大手門と呼ばれました。通常はご覧の通り閉鎖されれていて、通行は出来ないのですが、新年や天皇誕生日などの一般参賀が行われる時には、通行が可能となります。そしてこの時は、画像の手前側から石橋を渡って、正門の向こう側に抜けた後、ぐるっとユーターンして今度は鉄橋を渡り、宮殿へと向かう訳です。





皇居前広場
 皇居前広場

 ここ皇居正門の周辺は、江戸時代には老中や若年寄など、幕府重職の大名屋敷が集まっていた場所。そして現在は、芝生や玉砂利が敷き詰められた皇居前広場(皇居外苑)と呼ばれるエリアになっていて、その向こうには丸の内のオフィスビル群が迫り、夜ともなると、高層ビルから漏れ出す照明の光が夜景を彩ります。





広場にはクロマツが
 広場にはクロマツが

 この芝生の広場にはクロマツが植栽されていて、皇居に相応しい厳かな雰囲気を醸し出しています。環境省によると、このクロマツが最初に植栽され始めたのが明治21年からで、現在ではその数2000本までになっているんです。





坂下門
 坂下門

 皇居前広場に接しているこの門は坂下門。門を抜けると、江戸城内の高台へと上って行く坂があったため、坂下門と言う名前が付いたのでした。そしてさっき歩いて来た、三宅坂辺りの風景を眺めてみても感じるのですが、江戸城は武蔵野台地東端の、複雑な起伏を上手く利用した城だったという事が良く分かります。





宮内庁庁舎
 蛤濠と宮内庁庁舎

 坂下門から視線を右方向へと移動させると、蛤濠を隔てた木立の向こう側に、宮内庁の庁舎が顔を覗かせていました。





桔梗門
 桔梗門

 皇居前広場を更に進んで行くと、見えて来た枡形門は桔梗門。本丸に近い門であることから、大名などが登城する際には、江戸城正門の大手門と共にこの門が使われる事になっていました。築造は1614年。





巽櫓と桔梗濠
 巽櫓と桔梗濠

 桔梗門を過ぎて桔梗濠沿いに進むと、巽櫓が見えて来ます。天守なき現在の旧江戸城に於いて伏見櫓富士見櫓などの、現存する他の櫓と共に、この巽櫓は、お城のシンボルとしての存在感をばっちり示していて、水面に浮かぶそのロケーションは、とりわけ美しく印象的です。





前方に大手門が見えて来た
 再びランニングコースへ

 一旦逸れていた内堀通り沿いの皇居ランニングコースに、再び入って来ました。

 ・・・だけど、もうすぐ前方には、スタート地点だった大手門が見えています。名残惜しいけど、全5kmの皇居一周ウォーキングもこれで終了であります。





大手門前に到着
 大手門前に到着

 今日は楽しそうに走るランナー達に、次々と追い抜かれていったけど、こうしてゆっくり皇居を一周するのも、いろんな発見があって面白い。そして皇居にはこの他にも、東御苑と呼ばれる皇居付属の庭園が無料で一般に公開されていて、旧江戸城の頃の素晴らしい文化財も、数多く残されているので、今度はそちらの方もまた、ゆっくり歩いてみようと思います。









★交通 東京メトロ・都営地下鉄 大手町駅下車
★歩行距離 約 5.0 km



周辺地図
Google マップ







 インデックス
インデックス
 ホーム
ホーム